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税理士になったきっかけは、バックパッカー時代にさかのぼります。
当時２５歳だった私は外から日本を見てみたいという欲求にかられ、神戸から上海へ船で出発しました。
アジアとヨーロッパを１年２か月かけてまわった旅では、たくさんの人々の親切に触れました。
ラオスからタイに陸路で入国したときのことです。
ラオス通貨が３０００円分あったので、タイでバーツに両替しようとしましたが、どの銀行もラオスの通貨を受け取りません。
ラオスの銀行で日本円の両替をしたときは、応接室に通され冷たい水まで頂きました。
そのときハッと衝撃が走りました。
私のような青年が海外に自由に行けるのは、強い円を持っていたことと、その円に裏付けされたパスポートを持っていたからだ、と。
当時２５歳の自分が、日本円の価値向上に役立つような仕事をしたわけではありません。
私より上の世代が懸命に働いた結果、若者が円を持って海外に行ける豊かさがあるのです。ついこの前まで１ドル３６０円でしたし、海外に行くのも外貨持出制限がありました。
人は自分で生まれる時代や場所を選ぶことはできません。
私が現在の日本に生まれたのは幸運だったと思うと同時に、次の世代も幸運だったといえるような社会にしていきたいと強く感じました。
社会を支えるものは税金です。
そして税金が社会のために使われて、はじめて国が豊かになります。
私はその税金のスペシャリストである税理士を目指そうと心に決めました。
帰国後、数年間の予備校通いを経て、税理士試験に合格。
新宿区の会計事務所で税理士業務を経験後、平成２０年５月、品川区五反田にて開業しました。